皆さんは「スーパーフォーミュラ」というモータースポーツのレースをご存じでしょうか?
「スーパーフォーミュラ」は日本国内で行われている最高峰のフォーミュラカーレースです。
https://twitter.com/redbullmotorJP/status/1188452726226800640
F1マシンに引けを取らない使用マシンの速さと、レース自体のレベルの高さが売りの「ワンメイクフォーミュラ」となります。
今回は「スーパーフォーミュラって何?」と感じている皆さんに、F1との違いや、また、レースレベルの高さによって多数の外国人ドライバー達から熱い視線、強い関心を浴びている事を紹介していきます。
スーパーフォーミュラって何?
スーパーフォーミュラの概要
2019スーパーフォーミュラ最終戦レビュー:頂点をかけて勝負した者にしか解らない“想い” | J SPORTS
https://t.co/N3SUiyXder山本尚貴vsニック・キャシディ
2年連続での激戦
二人のバトルに胸打たれるのは
>“お互いを尊敬し、最後までフェアに戦う姿”
この姿勢があるからこそ、なんですね。— J SPORTS❤️モータースポーツ (@jsports_motor) November 1, 2019
「スーパーフォーミュラ」は、1973年に「全日本F2000選手権」として始まり、「全日本F2」「全日本F3000」「フォーミュラ・ニッポン」と名前を変えて、現在のスーパーフォーミュラとなり約40年近く続いているモータースポーツレースです。
F1と同様、タイヤがむき出しになった一人乗りのフォーミュラカーを用いて戦う4輪レースです。
2013年に前身の「フォーミュラ・ニッポン」が改称しスーパーフォーミュラとなりました。
正式名称は「全日本スーパーフォーミュラ選手権」となっています。
スーパーフォーミュラの歴史
前身のフォーミュラ・ニッポンは、F1へのステップアップカテゴリーとして、日本人・外国人問わず数多くの選手をF1へ輩出していました。
しかし、2009年のリーマンショックによる日本の不景気によって参戦台数が減り、F1へ参戦していたトヨタやホンダが相次いで撤退した事によりモータースポーツの人気が下火になってしまいます。
2013年からは日本国内という殻を破り、アジア圏のトップフォーミュラを目指してグローバル展開を進める為、名称を「スーパーフォーミュラ」に変更し新たに開始しました。
スーパーフォーミュラで使われているマシン「SF19」
https://twitter.com/fswpress/status/1147662269527887872
現在、スーパーフォーミュラで使われている車両は「SF19」と呼ばれ、イタリアの自動車コンストラクター「ダラーラ」が一社提供の車体を製作し、トヨタもしくはホンダのエンジンが搭載され、横浜ゴムが一社提供するタイヤを装着しています。
2014年から2016年のルールで作られたF1マシンが従来よりスピードが低下していたこともあって、スーパーフォーミュラのマシンの方がF1よりもコーナー速度が速いというデータ比較や当時のドライバーのコメントが残っています。
スーパーフォーミュラの岡山の予選でセナが25年前のパシフィックGPで記録した1分10秒218の更新が期待されたけど結局更新ならずやった
スーパーフォーミュラはF1よりコーナリングスピードが速いけどまだSF19はFW16の記録を破れなかった
でもセナが日本に残した最後の記録が更新されずに嬉しい気もする pic.twitter.com/XfspGEH5Z1— ゆういち (@yuichi220mp4) September 28, 2019
「SF19」に車両が切り替わった2019年シーズン。
第6戦岡山国際サーキットでのレースでは、25年前の1994年に岡山国際サーキットで行われましたF1の予選で、当時ウイリアムズチームに在籍していたアイルトン・セナ選手がマークした1分10秒218のタイムを更新するかに注目が集まりました。
残念ながら、結果はポールポジションの平川亮選手(TEAM IMPUL)が記録しました1分12秒700が最速で、記録更新ならず。
ただ、25年前にマークしたアイルトン・セナ選手の記録に後2秒程まで迫っている事に、SF19の潜在能力の高さを感じます。2020年こそは、記録更新と行きたい所です。
F1との違いは? F1へステップアップした外国人ドライバー達は活躍中
F1との違いを元F1ドライバーは語る。F1とスーパーフォーミュラの違い
【ブログ】番外編Shots!:小林可夢偉に聞く『今の本音』。スーパーフォーミュラとF1、WECの違い https://t.co/Ou88rC0uSb#SuperFormula #SFormula #小林可夢偉 #kamui #F1 #f1jp pic.twitter.com/afitKFgR90
— autosport web (@AUTOSPORT_web) April 25, 2018
元F1ドライバーで現在KCMGチームよりスーパーフォーミュラに参戦をしている小林可夢偉選手。
インタビューでは「スーパーフォーミュラは(どのドライバー、チームも)同じものを使っている」と触れていますが、その通りです。
・使っている車体・タイヤメーカーは一緒、エンジンもメーカーが違うとはいえ性能はほぼ均一。
車体やエンジン、その他技術面で開発が行われるF1は、用意したF1マシンの総額が日本円換算、1台分で「20億円」を超えると言われています。
対するスーパーフォーミュラで使用されるマシンは、チームが一から作るのではなく、メーカーから車体を購入しエンジンやタイヤ等のパーツは供給される為、一台で総額「1億円」程度です。
使用している「道具」の条件が同じである事から、ドライバーのレース中の技量とセッティング能力の高さ、チームの戦術構築の上手さによって勝敗が決まります。
決して言い訳が出来ない「ワンメイクレース」が、スーパーフォーミュラの魅力でF1との違いです。
F1を目指す外国の若いドライバーも注目するスーパーフォーミュラ
スーパーフォーミュラは、一時期失いかけていた「ステップアップカテゴリー」としての役割もここ近年再び確立しつつあります。
2016年に「ダンディライアン」より参戦したベルギー人選手のストフェル・バンドーン選手は、FIA F2でチャンピオン獲得したもののF1昇格を果たせず日本へ。
シリーズ4位となり、翌年マクラーレンチームでF1昇格を果たしました。
2017年に「TEAM MUGEN」より参戦したフランス人選手のピエール・ガスリー選手は、同じくFIA F2でチャンピオンを獲得しましたが日本に来日。
1勝を挙げシリーズ2位となり、同年終盤にはトロロッソチームよりF1デビューを果たし現在も参戦。
2017年からはピエール・ガスリー選手の当時のサポートも含めて、F1のレッドブルチームがスーパーフォーミュラに若手育成プロジェクトの選手を送り込み参戦させています。
また、F1に昇格出来なかったり、F3等のカテゴリーから将来F1昇格を目指して参戦する外国人選手も年々増加しており、よりスーパーフォーミュラの価値が上昇しているとみて過言ではありません。
まとめ
2019年は、参戦3年目のニュージーランド人、ニック・キャシディ選手がドライバーズチャンピオンを獲得し、F1含めて海外の上位カテゴリーへのステップアップが期待されています。
また、先日10月13日に行われたF1第17戦日本GPでは、2013年と2017年のドライバーズチャンピオン、山本尚貴選手がトロロッソチームから練習走行の選手として出走し、2020年以降の動向が気になります。
F1を目指して戦う選手達の雄姿を観る事が出来るスーパーフォーミュラは2020年も4月初旬に鈴鹿サーキットで開幕します。
新たなシーズンの顔ぶれを楽しみにしたいものです。