「ジャイアントキリング」を和訳すると「番狂わせ」です。
スポーツ界では圧倒的な戦力の差があるチームが戦って、弱者が強者を倒すことを「ジャイアントキリング」と言います。
サッカーは「得点が入りにくい」「足を使うスポーツなので不確定要素が多い」という理由からジャイアントキリングが起こりやすいスポーツとも言われています。
日本で行われている天皇杯でもアマチュアチームがプロチームに勝利したり、大学生がプロチームに勝利したりという、ジャイアントキリングが起きています。
誰もが一方のチームの勝利を確信するような戦力差を逆転して起こすジャイアントキリングは「奇跡」とも呼ばれます。
そんな奇跡の瞬間の興奮と感動はサッカー観戦の醍醐味でもあります。
今季の欧州サッカー界でも世界が驚くジャイアントキリングがいくつも起こっています。
そんな中から特に衝撃の大きかった試合についてまとめてみました。
マンチェスターシティVSウォルバーハンプトン
THIS TEAM🧡🖤🐺 pic.twitter.com/bxyVUjGbh0
— Wolves.jp (@Wolves_jpn) November 3, 2019
一つ目のジャイアントキリングは、イングランドプレミアリーグ第8節で起きました。
マンチェスターシティといえばアグエロや、デ・ブライネといったスター選手が所属しています。
プレミアリーグでも特にチーム力が高いビッグ6のうちの1チームで、昨年度のプレミアリーグ王者でもあります!
対するウォルバーハンプトンはプレミアリーグと、チャンピオンシップ(イングランド2部)を行き来するようなチームです。
17-18シーズンのチャンピオンシップを優勝して6年ぶりにプレミアリーグに復帰しました。
今季は復帰2年目のシーズンです。
今季はマンチェスターシティと対戦するまではリーグ戦も1勝しかしておらず、誰もがマンチェスターシティの勝利を疑いませんでした。
しかし、ウォルバーハンプトンは粘り強い守備でマンチェスターシティの攻撃を無失点に抑えてわずかなチャンスで2ゴールを挙げて勝利しました。
この試合のボール支配率はマンチェスターシティが76パーセントに対してウォルバーハンプトンは24パーセントです。
シュート数もマンチェスターシティが18本で、ウォルバーハンプトンが7本というスタッツです。
まさしくこの試合は今季のプレミアリーグの中では最大のジャイアントキリングです!
レアルマドリードVSマジョルカ
¡Imparable Lago Junior! ⚽👀 pic.twitter.com/WxdLfZRLiY
— LaLiga (@LaLiga) October 21, 2019
続いてのジャイアントキリングはスペインで起きました。
リーガ・エスパニョーラ第9節のレアルマドリードVSマジョルカです。
レアルマドリードと言えばもはや説明する必要がないといっていいほどのビッグクラブですね。
昨季のバロンドール受賞のモドリッチやベイルなどスター選手を挙げたらキリがありませんね。
UEFAチャンピオンズリーグを3連覇するなど、スペインのみならず、世界最高峰のチームです。
対するマジョルカは、今季7シーズンぶりに1部に復帰したチームです。
日本代表の久保建英選手が所属しているので、最近は名前を聞くことが多いチームですね。
この試合ではマジョルカが試合開始7分で先制ゴールをあげます。
試合開始直後の集中しきれていないレアルマドリードの一瞬の隙をつきました。
その後のマジョルカは、スター軍団レアルマドリードの猛攻に耐えるといった防戦一方の展開でした。
圧倒的にボールを支配されて、14本ものシュートを浴びましたが、後半29分にレアルマドリードに退場者が出たことも追い風となり、無失点に抑えて1-0で勝利しています。
バイエルン・ミュンヘンVSフランクフルト
ご声援ありがとうございました🙇♂️🙇♀️
1️⃣2️⃣人目の選手たちの皆様の力強い後押しもあり、王者バイエルン相手に5️⃣-1️⃣と大きな勝利を手にする事ができました😍🙌🦅
これからも共に勝利を掴み、さらなる高みを目指しましょう👊#SGE/#SGEFCB/#アイントラハト/#フランクフルト pic.twitter.com/zAlhvqiZ9H— Eintracht Frankfurt (@eintracht_jp) November 2, 2019
最後に紹介するジャイアントキリングはドイツです。
バイエルン・ミュンヘンは現在、ドイツのブンデスリーガで7連覇中というドイツ国内では敵なしのチームです。
UEFAチャンピオンズリーグでの優勝経験もあります。
ちなみにバイエルン・ミュンヘンは世界中に30万人近くのクラブ会員がいて、収入規模は世界第4位です。
そんなビッグクラブ相手にジャイアントキリングを起こしたのが、フランクフルトです。
フランクフルトと言えば、日本代表の長谷部誠選手や、鎌田大地選手が所属しているチームです。
ドイツで起きたジャイアントキリングは、これまでに紹介したものとは様子が違います。
それは何を隠そう5-1という大差でフランクフルトがバイエルン・ミュンヘンに勝利したのです。
前述の2ケースでは猛攻を耐えてわずかなチャンスをものにするオーソドックスなジャイアントキリングです。
しかしフランクフルトは勝つだけに収まらず、欧州屈指のビッグクラブを完膚なきまでに叩きのめしたのです。
バイエルン・ミュンヘンが試合開始早々に退場者を出して有利な展開になることは予想できましたが、誰がバイエルン・ミュンヘンの大敗を予想したでしょうか。
バイエルン・ミュンヘンにとってもフランクフルトにとっても忘れられない一戦となりました。
まとめ
欧州のリーグ戦はまだ半分も終わっていませんが、ジャイアントキリングが試合を盛り上げています。
リーグ戦だけでなくカップ戦でも起こりうるジャイアントキリングです。
絶対的強者に立ち向かい勝利をあげる姿は、サッカーのすばらしさを伝えてくれます。
まだまだ盛り上がりが予想される欧州サッカーから目が離せません。