居酒屋トークでも、給料やボーナスなどお金の話はタブーだったりします。
やはり日本人の美徳として、赤裸々にお金について語るのは恥ずかしいこととされているからでしょう。
しかし、特に選手生命が長くないラグビー選手にとって、年俸などのお金の問題は切っても切り離せないもの。
特に選手としての評価はお金で算出するしかないこともあり、やはり避けては通れない問題ではないでしょうか。
そこでここでは、ラグビー日本代表の給料問題についてみていきましょう。
日本代表の平均年俸は?最高年俸はあの人!?
日本代表選手は今回の2019ワールドカップを最終目標にしていた選手も多く、経験が多い30代のベテラン選手も数多くいます。
そのため、年俸も自然と上がっていくものだと思うところですが、ラグビー日本代表の平均年俸はいくらなのでしょうか?
ラグビー日本代表のほとんどが日本のラグビーリーグ、トップリーグに所属していますがまだプロ化されていないこともあり、プロ野球やJリーグのように年俸を公開していません。
そのため、あくまでも推測にはなっているのですが、ラグビー日本代表の平均年俸は約2500万円ほどとされています。
最高年俸でも、ワールドカップで日本代表の得点王になった田村優選手。
田村選手は2016シーズンまでNECの社員としてラグビーをしていた社会人選手だったのですが、競技に専念するために年俸が高いことで知られる『キャノンイーグルス』と契約、その年俸額が日本代表最高額で4000万円となっています。
毎試合国家斉唱の時は震えが止まらなかったな。
世界1のファンの皆さんの前で最高のパフォーマンスで目標を達成できて良かった。
このチームは最高でした。
チームメイト、スタッフ、コーチ、みんながチームのために最善を尽くす、そんなチームでした。
ありがとう日本代表、ありがとう日本。 pic.twitter.com/a0ZTQKQy6E— YUU TAMURA19 (@YUUTAMURA19) October 24, 2019
他の選手ですと、リーチキャプテンで3500万円、堀江翔太選手で3000万円ほどとなっています。
年俸以外にもCM出演料やスポンサー契約料なども入るため、年俸額よりははるかにもらってはいるでしょうが他のスポーツと比べてどうでしょう。
上を見たらキリがないので、同じ日本で選手生命年数も比較的似ているJリーガーを基準に見てみると、J1選手の平均年俸は約2100万円。
額だけ見ればラグビー日本代表とJリーガーは同額程度ですが、ラグビーは日本代表、サッカーも日本代表となれば一桁平均年俸は変わってしまうでしょう。
最高年俸を見てもイニエスタなどの外国人選手は抜いても、1億円プレイヤーは日本人だけで10人もおりラグビーの田村優選手4000万円とは大きな格差があります。
なかには日本代表選手も!会社員ラグビー選手が多い
ワールドカップ直前に放送され、今のラグビーフィーバー立役者のひとつとなったTBSドラマ「ノーサイドゲーム」では、アストロズはみんな日中は自動車工場で働くサラリーマン選手でした。
あの話は何もドラマのフィクションの話ではなく、今もトップリーグに所属する多くの選手がプロ選手ではなく会社員のサラリーマン選手なのです。
サラリーマン選手なのですから、給料も一般社員とほぼ一緒。
プラスで試合手当などで雀の涙ほどの手当てが入るくらいです。
なかには、現日本代表でもサラリーマン選手が存在しているのです。
日本代表で鉄壁のタックルで強固の守備に貢献した『中村亮土』選手です。
これまで沢山のことを乗り越えて良かった!
日本中に勇気を…
その想いでディフェンスしました。#ONETEAM #japan #勇気 pic.twitter.com/nsNM34HPtp
— 中村亮土 Nakamura Ryoto (@ryoto1010) October 13, 2019
中村選手は、選手としてはトップリーグのサントリーサンゴリアスに所属していますが、普段はサントリーの赤坂の東京第1支社に勤務する営業マンなのです。
営業マンとして試合の翌日で傷だらけの顔でお得意先に行くと「こんな体でよく来てくれた」と話題のネタとして使っている優秀な営業マンなそうですが、勤務後にラグビーの練習に行くため、残業はできず他の営業社員より手当があっても少ないとか。
ちなみに日本代表はワールドカップ前に250日を超える合宿をしたことでも有名ですが、この際は日本代表に出向という形で行っていたようです。
日当1万円の衝撃!イングランド代表では?
年俸だけ見てもサッカーなどに比べれば少ないものの、日本円で億プレイヤーがゴロゴロいる外国人選手に比べて日本では低賃金が目立ちます。
しかし、衝撃はそれだけではないのです。
いや、それ以上とも言ってもよいことが。
それは試合の日当問題。
ワールドカップの激闘でも、あれだけ血を流しながら体力をすり減らしながら戦っていたブレイブブロッサムズ(日本代表)のメンバーは日当1万円なのです。
今時、学生のバイトでも1日働いて1万円では少ないくらいなのに、これは少なすぎではないでしょうか?
もちろん他の強化費としてだけでもお金が必要なことは分かります。
しかし、リポビタンDの大正製薬をはじめ、スポンサーも数社付いていることを考えれば一桁いや二桁上でもよいはずです。
ちなみに現在までにベスト4まで進んでいるイングランド代表は日当約350万円と日本代表の350倍。
この金額差も縮めていかないと現実の話、日本ラグビーは再び低迷期に迷い込んでしまうのではないでしょうか。
トップリーグのプロ化なくして日本ラグビーの発展はなし
日本選手の年俸アップはそのままラグビーの実力に比例していくほどの問題です。
日本代表のレギュラークラスくらいになれば1億円プレイヤーくらいにはなって欲しいものです。
そのためには、やはり自国のラグビーリーグであるトップリーグをプロ化し各チームにスポンサーを得て入場者数を増やし、一時のブームではなく文化としてラグビーを根付かせる必要があるのでしょう。
日本サッカーが社会人リーグから1993年にJリーグとしてプロ化。
それに伴いサラリーマン選手は徐々に減っていき、完全プロ選手ばかりとなりました。
近年でプロ化をして世界的な実力も上げつつあるサッカーの事例が日本にはあるのですから、ラグビー協会は真剣に今後の対策を考えるべきなのです。
ドラマ「ノーサイドゲーム」での協会のごたごたなどはすべてがフィクションではなく、現実のノンフィクション的なところもあるわけです。
まとめ
今回は、「ラグビー日本代表の給料問題」についてお届けしました。
しばらくはラグビー日本代表選手はテレビ出演などもあり、お金は一時的にボーナスが入るでしょう。
しかし将来的なラグビーの発展を望んでいる選手たちは、一過性のものではなく恒久的にラグビー人気が定着することが大事。
ワールドカップフィーバーでチャンスの日本ラグビー界、今動かずにいつ動くのかとぜひ協会は真剣に考えて欲しいです。