あなたはロードレースを走っている選手の足を見たことがありますか?
よく見るとすね毛がきれいさっぱり無くなっているんです!!
逆にすね毛が生えている選手の方が珍しいんです!
「そうなの?」「なんで?」と感じた方もいることでしょう。
実は…足の毛を処理することはサイクリストの常識なんです。
その謎をこれから徹底解明していきます!
マッサージのため!
40km/hの熱い風…選手が通り過ぎた後に漂うマッサージオイルの香り、レース会場にきたことを実感させる。学生ロードレースシリーズ最終戦・明治神宮外苑クリテリウム→ pic.twitter.com/fTBEogG80c
— Kai ONO 2◯◯2 (@cycle_peter) March 13, 2016
ロードレースには、1日でレースが終わるワンデイレース、複数のステージ(レース)を走ってその総合成績で結果を決めるステージレースがあります。
ステージレースの代表例としてツール・ド・フランスがあげられます。
2019年のツール・ド・フランスは全21ステージあり、間に挟まる休息日は2日間だったので23日間の開催となりました。
開催期間中、選手たちは何日も連続で走ります。
となると疲労を抜かなければなりませんよね。
プロチームには大抵、専属のマッサー(マッサージ師)がついています。
選手はレース後にマッサージを受けて疲労をとるのです。
そのときにマッサージオイルを使用します。そうなると毛はじょりじょりして邪魔ですよね…。
怪我したときのため!
怪我からまだ2ヶ月経っていない上に単騎で、この日間違いなく最強だった新城幸也#全日本選手権 #ロードレース pic.twitter.com/pwfoUPpwMf
— ka10 (@ka10desu) June 30, 2019
レースは落車の危険と隣り合わせです。
落車の原因にはさまざまなものがあります。
そして、大抵の場合は擦過傷を負います。
治療には防水フィルムやキズパワーパッドなどを用います。
いわゆるモイストヒーリングというやつです。
これを負傷部に貼るのは大丈夫です。
問題は剥がすときです。
毛が生えていると粘着部分にひっぱられて痛いのです。
また、毛が生えてる部分を負傷した場合、毛に付着している菌が入ってしまうと化膿してしまうかもしれません。
そうなると治癒が遅くなってしまいますよね。
パワー削減のため!
ロードレースの最大の敵は風の抵抗です。
サイクリストは機材やウエアのフィット感で少しでも風の抵抗の影響を減らそうとします。
ですが、機材は何十万、ウエアも何万円と非常にコストがかかります。
ですが、コストがかからない方法があります。
毛を処理するのです。
「毛でそんなに変わるものなの?」と疑問に思いますよね。
2014年に自転車の大手メーカーであるスペシャライズドが、すね毛の抵抗に関する風洞実験を行いました。
そして、すね毛を処理した人とそうでない人とでは40km走って50~80秒ほどの差が生まれることが判明しました。
すね毛を処理した方が速く走れるという結果になったのです。
1kmで考えると微々たるものですが、同じ距離を同じ時間で走った場合にすね毛を処理している選手の方がパワーを節約できるということになりますね!
ロードレースはパワーを節約して速く走ることが勝負のカギとなってくるので、すね毛を馬鹿にすることはできません。
どうやってツルツルにしているの?
選手はどうやって毛の処理をしているのでしょうか。
その方法を簡単に紹介していきます。
カミソリ
一番手頃ですぐ剃ることができます。
しかし、保湿などの後処理をしないとかゆくなってしまうことも…。
また、レース前日に剃るとパフォーマンス能力が悪くなってしまうと語る選手もいます。
脱毛クリーム
塗って放置してクリームを除去するだけの簡単作業で仕上がりもきれいです。
コスト的にはカミソリよりもかかってしまいます。
電動シェーバー
上記2つと違って部屋で簡単に剃ることができますし、持ち運べるので試合会場でも剃ることができます。
光脱毛
フラッシュ式やレーザー式がある脱毛方法です。
機器を所有している美容室がスポンサーについている実業団の選手はよく利用しているみたいです!
処理中はチクっとするみたいですが、カミソリで剃った場合よりも伸びるのが遅くなるのでコストはかかりますが良い方法ですね!
毛の処理方法にもたくさんのものがあることがわかりました。あの選手はどうやって処理しているのか気になってしまいますね。
まとめ
すね毛がツルツルなのは何故かをばっちり理解していただけたと思います。
また、すね毛が生えている選手よりも生えていない選手の方が見栄えもいいですよね。
そうなんです。
すね毛をツルツルにするということは全て自分のためにやっていることなのです。
水泳でもすね毛があるかないかでは泳いでいるときの感覚が違うという話を聞いたことがあります。
水泳も水の抵抗が関係しているので、ロードレースと似たようなものなのかもしれません…。
すね毛を剃ることはメリットばかりなので、これは剃らないわけにはいきません!
サイクリストの常識だと最初の方で述べたのはそのためです。
機材ではなく、そういうところから既に勝負は始まっているのです。
風の抵抗というものは奥が深いですね。それについても近いうちにまとめていく予定です。
ぜひ機会があったら選手の足を見てみてください。
きっとツルツルです!