ロードレースは時に200km以上の距離を走ります。
時間でいえば約5~6時間もの間、自転車に乗りっぱなしということも少なくありません。
ロードレースにはサッカーのようなハーフタイムはありません。
では、選手はトイレをしたくなったときどうするのでしょうか。
また、長い時間走っている間に食べ物や飲み物が無くなってしまったらどうするのかについても焦点をあてていきます。
トイレをしたくなったらどうする?
レース中に選手がトイレにいきたくなったらどうするのでしょうか。
民家やお店に立ち寄って借りる?袋にする?
いいえ、そのようなことはしません。
大抵、尿意を催した場合はロードバイクに乗ったまま放尿します。
選手が身に付けているレーサーパンツは伸縮性がいいので、グッと放尿できるところまで下げることが可能です。
また、放尿している間はペダルを回すことが出来ないので、下りで排泄したり、自転車や体をチームメイトに押してもらったりすることでスピードが落ちてしまうことを防ぎます(たまに道端で立ち小便することもあります)。
では、大便をしたくなったらどうするのでしょう。
これはさすがにロードバイクに乗ったままするわけにはいきませんよね。
この場合、選手はロードバイクを咄嗟に降りて草の茂みの中に駆け込みます。
そこで用を足すわけですが、トイレットペーパーを常備しているわけもないので、恐らく草の葉っぱでお尻を拭くと考えられます。
ロードレースは1秒たりとも無駄にできない競技ですから、少しでも止まる時間を少なくしようというわけです。
ドリンクや補給食が足りなくなったらどうするの?
連載『自転車栄養学』ではロードレースチームも担当していた管理栄養士の河南こころさんが、サイクリストにおすすめの補給食を紹介。ちなみに選手たちから人気があった補給食は「ジャムパン」だそうです。https://t.co/c4z1YZxOKV pic.twitter.com/rWXrUnBvNT
— Cyclist(サイクリスト) (@cyclist_sanspo) September 25, 2019
ロードバイクにはドリンクが入ったボトルを2本装着できます。
大体のボトルは1本500mlですので、最大1Lのドリンクを携行することが出来ます。
ですが、気温が高い日や長時間のレースでは1Lの水分じゃ脱水症状や熱中症になってしまいます。
また、補給食(バナナやゼリーなどの栄養があるもの)も摂取しないと選手は力を発揮することが難しくなります。
これらのドリンクや補給食が必要な場合、選手は新しく調達する必要があります。
方法としては補給ポイントと呼ばれる地点で、補給物資が入っているチームのサコッシュ(必要に応じてボトルだけ渡す場合もある)を走りながら受け取るか、後方を走っているチームのサポートカーのところまで直接補給物資を受け取りに行きます。
たまにチームメイトから補給物資を受け取っている場面も見受けられます。
補給しないとどうなってしまうの?
ツール開幕までついにあと1週間🇫🇷
週末は各国のナショナル選手権のピーク🔥
そんな本日は現ロード日本王者の山本元喜選手が #マイヨジョーヌ100 カラーの「PowerBar」ボトルとエナジャイズ・バナナ味を持って登場🎌
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#jspocycle pic.twitter.com/j9aUsRR4Js— J SPORTS🍁サイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) June 29, 2019
みなさんは、ハンガーノックという言葉をご存じでしょうか。
車で例えるとガス欠のようなものです。
ロードレースはものすごいカロリーを消費します。
例として、200kmのレースであれば6000~7000Kcal消費するといわれていますが、これに基礎代謝も加えるので1日の消費カロリーはもう少し多いことになります。
これは20代男性の1日の基礎代謝(1520Kcal)の約4.5倍になります。
人間は6000~7000Kcalものエネルギーを体内にためることは不可能ですので、レースを走りながら補わなければなりません。
そこで選手は飲み物だけではなく、ゼリーやバナナ、ジェルなど消化によくてカロリーの高いものをレース中に摂取します。
それを怠ってしまうとハンガーノックになってしまい頭はボーっとし、体に力が入らなくなります。
とても致命的ですよね。
こうなってしまわないためにもロードレースにおいて補給は軽視できないものとなっています。
4.ドリンクが入っていないボトルは〇〇する!
辛いレース中でも、選手はファン、特に子供を大切にしていて、ボトルをプレゼントするサイクルロードレースのこういったシーンは本当に好き。因みに昔、フォイクトが自分が子供にあげたボトルをおっさんが奪い取ったのを見て、レース中にもかかわらず、引き返しておっさんを説教した逸話も大好き。 pic.twitter.com/c0g0Zapu6N
— てんげるまん🌀tengelmam (@fcbliebe1900) June 15, 2018
補給食のゴミはポケットに入れますが、ドリンクを飲み干したらボトルはどうするのでしょうか。
補給のついでにチームカーに渡したり、ロードバイクを軽くしたいときやチームメイトからドリンクをもらって空っぽのボトルが邪魔だという場合はポイ捨てしたりします。
ですが、捨てられたボトルというものはファンにとっては記念になるものなんです。
野球でいうところのキャッチしたホームランボールを持って帰るような感じです。
そのため、多くの選手は観戦者が多いような場所で捨てたり、子どもに渡したりします。
ロードレースにおいては、選手のボトル目当てのファンはたくさんいるのです。
まとめ
選手のトイレ事情や補給についてばっちりおわかりいただけたことと思います。
競技時間が長いにも関わらず、休憩時間がないロードレース特有の問題ですね。
プロの選手はロードバイクに乗りながらトイレを済ませて(大便は不可能ですが)、飲食もしてしまうわけですが、バイクコントロール技術が身についているからこそ為せる技ですし、飲食をするのも呼吸が整っている状態でないと難しいので、強靭な心肺機能を持っていることがわかります。
また、プロのロードレースを観戦しているとハンガーノックになる選手をなかなか見ないので、どのタイミングでどれくらい補給するかをしっかり管理しているようです。
さすがプロですね!
選手によって補給食の好みやサポートしているメーカーが違うので調べてみるのも面白いかもしれません!