プレミアリーグは開幕から7節が消化され、現時点では未だ無敗を続けるリヴァプールが首位に立っています。
一方で、長年リヴァプールのライバルとして扱われてきたマンチェスターユナイテッドは現在10位に位置しています。
開幕前から決して評判が高くなかったとは言え、これほどの躓きを予想した人は多くはありませんでした。
果たして、「赤い悪魔」はこのまま低迷を続けてしまうのでしょうか?それともここから大きな巻き返しを見せてくれるのでしょうか?
『赤い悪魔』と呼ばれるサッカーチーム
・ベルギー代表
・マンチェスター・ユナイテッド(プレミアリーグ)
・浦和レッズ(Jリーグ)
・コンゴ共和国代表
30年ぶりの低調なスタート
スールシャール体制2年目を迎えたユナイテッドは今シーズン、非常に低調なスタートを切ることになってしまいました。
開幕戦のチェルシー戦こそ4-0の大勝で飾ったものの、その後は7節終了時点までにわずか1勝を上積みすることしかできていません。
現在の勝ち点は9ポイントで、首位のリヴァプールとは既に12ポイントの差ができています。
直近のリーグ戦(9月30日のアーセナル戦)でも1-1の引き分けに終わっています。
かつてビッグ6と称された全てのクラブの後塵を拝する形となっていることを考えれば、今シーズンのユナイテッドはスタートダッシュに大きく躓いたと言うことができます。
しかも、この躓きは単なる不振や不調といったものではない可能性もあります。
と言うのも、開幕から7試合で勝ち点9という結果は、プレミアリーグに移行して以降ではユナイテッド史上最悪の数字なのです。
1989-1990シーズンにも7戦で勝ち点9という低調なスタートを切ったことがあり、今シーズンはこの時以来、つまり30年ぶりの低調な滑り出しになっているのです。
ちなみに、この1989-1990シーズンの最終順位は13位でした。
今シーズンのユナイテッドがここまで低い順位でフィニッシュするかは分かりませんが、残りのシーズンが厳しい戦いになることは間違いありません。
主力の相次ぐ負傷離脱
ユナイテッドが現在ここまでの不振に陥っている原因の1つは負傷者の続出です。
しかも、主力選手に負傷離脱が相次いでいます。
チームの司令塔であるMFポグバはシーズンの開幕前から足首に負傷を抱えており、FWマルシャルもハムストリング痛で離脱中。
さらには期待の新星グリーンウッドも扁桃炎を患い、3日に行われたELのAZ戦では途中出場のFWリンガードがハムストリング痛で再離脱。
また、0-2で敗れた6節のウェストハム戦ではエースのFWラッシュフォードが左足鼠蹊部を負傷。
まさに野戦病院とも言える状態であり、こうした主力の相次ぐ負傷離脱が現在の不振の一因となっていることは間違いないでしょう。
いずれの負傷も比較的軽いものですので、しばらくすればベストメンバーに近い形で戦うことができるでしょうが、それまでは格下相手であっても苦戦を強いられることになりそうです。
補強は十分だったのか?
夏の移籍市場において、ユナイテッドは目立った動きを見せませんでした。
新しく加入した選手の中で能力と実績を高いレベルで兼ね備えているのは、DF史上最高金額の移籍金で加入したハリー・マグワイアのみです。
他の加入選手の中に新たなエースやリーダーになり得る選手は見当たりません。
と言うよりもむしろ、そうした選手を自ら放出してしまったとも言えます。
ユナイテッドが夏の移籍市場で放出した中には、ロメル・ルカク、アンデル・エレーラ、マッテオ・ダルミアン、アレクシス・サンチェス、クリス・スモーリングといった、
錚々たる顔ぶれの選手たちが揃っています。
こうした移籍市場での動きを見てみると、ユナイテッドは目立った動きを見せなかったどころか、戦力ダウンという悪い形で目立ってしまったのではないかとも考えられます。
ちなみに、こうしたユナイテッドの補強戦略にはOBからも批判の声が上がっています。
例えば、かつてユナイテッドを含めリヴァプール、レアルマドリード、ニューカッスルなどで活躍したマイケル・オーウェン氏は次のように述べています。
「私が言いたいことは、スールシャールはわかっていながらチームを弱くしているということ。チームを良くする可能性のある選手たちを放出した。多少戦力を落としてでも、今後につながることを選んだかもしれないが、私はそうとは思わない。このチームは手負いの状態からシーズンをスタートしたも同然だ」
非常に辛辣な言葉ですが、当たらずと雖も遠からずといった面が多分にあります。
巻き返しはあるのか?
ここまで、今シーズンのユナイテッドについて否定的な形での言及が続きましたが、決して今後の戦いに希望が見出せないというわけではありません。
それどころか、これからの戦い方次第では順位を一気に上げる可能性も十分にあります。
現時点での順位を見てみると、ユナイテッドの上位にいるのはビッグ6の中の5チームとレスター、ウェストハム、ボーンマス、クリスタルパレスという9チームです。
これを見ると、戦力の面でユナイテッドを明らかに上回っているのはリヴァプールとマンチェスターシティのみで、アーセナル、トッテナム、チェルシーとは戦力面でさほど大きな差はありません。
さらに、これ以外の4チームと比べれば戦力面ではユナイテッドの方が明らかに充実しています。
また、ユナイテッドにとっては負傷者の復帰というのもこれからの巻き返しに向けて強力な追い風となっていくはずです。
以上の2点を踏まえれば、これからの巻き返しは十分にあり得ると言えます。
まとめ
今回は今シーズン、30年ぶりの低調なスタートを切ってしまったマンチェスターユナイテッドについて取り上げてきました。
今シーズンのプレミアリーグは昨年の王者マンチェスターシティと現欧州王者リヴァプールが好調なスタートを切りました。
現在、ユナイテッドはかつてビッグ6と呼ばれたチームの中では最も低い順位に位置しています。
今後の戦いも決して楽ではありませんが、ここからの巻き返しに期待が集まります。