皆さんは「富士スピードウェイ」というサーキットをご存じでしょうか?
静岡県の東部、御殿場市に隣接する駿河郡小山町にある、国際形式のモータースポーツサーキットです。
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— 富士スピードウェイ / FSW (@fswpress) October 4, 2019
1966年に開業し、50年以上もの歴史がある東日本のモータースポーツの聖地です。
今回は、富士スピードウェイの歴史と過去4度F1レースが行われた事を紹介していきます。
富士スピードウェイの歴史
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高度経済成長にサーキット建設、オイルショックと共にF1初開催
富士スピードウェイが建設され開場したのは1966年です。
当時、ホンダが三重県に所有していた「鈴鹿サーキット」は社内の市販車テストコースという意味合いが強く、日本国内で4輪の自動車レースが開催できるサーキットの建設が切望されていました。
1963年より有志によって富士スピードウェイの建設計画が始まり、当時の河野一郎建設大臣(河野太郎 現・外務大臣の祖父)から河野洋平氏(衆議院議長等歴任。前述の河野太郎氏の父)に引き継がれ1966年に開業します。
1970年代に町工場から生まれたメンテナンスガレージのチームが数多く集って開催された「富士グランチャンピオンレース(富士GC)」が流行し、数多くのガレージが集まって「レース村」と呼ばれるまでに町が活気を見せます。
同時期、オイルショックが勃発し、自動車業界と共にモータースポーツも一気に縮小傾向となります。
難しい状況下で、1976年と1977年にF1世界選手権、日本グランプリが2度開催されます。
2008年のF1日本GP富士を見るたびに、富士のコース図をこの向きで見たことが無いので脳みそが混乱する。 pic.twitter.com/CCPbnSLi7V
— ShimO (@shimo_tofu) June 9, 2019
『日本一速い男』星野一義氏、2輪ライダーから転向して富士GCで活躍を見せていた高橋国光氏が参戦し活躍を見せますが、レース中の事故により立ち入り区域にいたカメラマンと警備員が事故に巻き込まれて死亡するという事件が発生。
結果、僅か2年で日本での開催が一時中断となってしまいます。
2007年、再びF1開催…ところが
その後、バブル景気を経てアイルトン・セナ氏を発端としたF1等のモータースポーツブームが吹き荒れますが、富士スピードウェイは日本景気後退の中、設備の老朽化等に苦しみ集客も苦戦。
2000年トヨタ自動車が株式を購入し、2003年から2005年の2シーズン改修工事が行われ、F1も開催できる国際形式のサーキットに生まれ変わりました。
そして2007年、富士スピードウェイは改修後初のF1日本GP開催権を鈴鹿サーキットより獲得し2年間開催します。
レースの内容自体は盛り上がったものの、天候が荒れた事に加え、駐車場が未舗装である部分やトイレや救護施設の不足といった、施設面での不十分さと、交通アクセスの混乱(サーキット周辺の渋滞)、道路の陥没による渋滞等で大いに株を下げる結果となり、僅か2年で開催は終了、2009年からは再び鈴鹿サーキットで開催されるようになりました。
富士スピードウェイのコース特徴
富士スピードウェイ(旧コース):日本
コース全長:4,400km
使用期間:1966~2003年
かつては30度バンクのコーナーがあったが、死亡事故も多く1974年に閉鎖、それでも事故は耐えなかったため、コースを総改修し現在に至る。 pic.twitter.com/tGPab4v76Q— コース紹介BOT (@circuit_bot_) November 5, 2019
昔は「30度バンク」というコーナーが存在していた
開業直後から数年間「30度バンク」という急な勾配のあるコーナーが存在し、元々はNASCARというアメリカのオーバルサーキットを主体として開催されていたレースを招致する為に設計されたコーナーが存在していました。
しかし、30度バンクは度々選手が死亡するという事故が繰り返された事により閉鎖されてしまいます。
30度バンクが廃止されて以降は全長4.4㎞と、うちメインストレートが1.5㎞を占める高速サーキットとして度胸試しをされるコースとなり国内最高峰クラスのレースが多々開催されていました。
トヨタ自動車が買収した事により2005年にコースの後半部分がテクニカルな複合コーナーが連続するものに改修され、全長4.6㎞のコースとなります。
オーバーテイクポイントは「メインストレートからの1コーナー(TGRコーナー)」
富士スピードウェイで行われた、コーンズ主催イベントのフェラーリF1カーの慣らし走行を第1コーナーより撮ったものです^_^全開走行ではありませんが、これがF1サウンドですよー✨ pic.twitter.com/vn0pzBfFO0
— ジャスミンティー (@Sweetness_1964) October 28, 2019
富士スピードウェイの「十八番」が全長1.5㎞のメインストレートです。
スーパーフォーミュラやスーパーGTの500クラスのマシンでは時速300kmオーバーを引き出す「肝試し」を要求されるストレート。
ストレートからの1コーナー(現在は命名権をトヨタ自動車が購入し「TGRコーナー」という名称)でのレース中の攻防は見ものです。
「オーバーテイク」と呼ばれているマシン同士の追い越しが多数観られる場所となっています。
富士スピードウェイへのアクセス方法
・自動車:(東京方面)東名高速道路「大井松田IC」より30分、
(名古屋方面)東名高速道路「御殿場IC」より20分
・電車:JR御殿場線「御殿場駅」タクシーで20分、もしくは富士急行バスにて
富士スピードウェイ公式サイト
https://www.fsw.tv/
まとめ
富士スピードウェイは、鈴鹿サーキットと並ぶ日本のモータースポーツを代表するサーキットです。
現在は、WEC(FIA世界スポーツカー耐久選手権)が年一度海外カテゴリーのレースとして開催。
スーパーGTとスーパーフォーミュラ等の国内カテゴリーのレースで使用されています。
F1日本GPは僅か合計4回の開催に終わり、現在は鈴鹿サーキットに開催権を譲っています。
その分、国内カテゴリーのレース中心に使用されてレーシングドライバーを目指す若者の登竜門から、プロドライバーの頂点を極める戦いまで幅広く愛されている事が理解出来たでしょう。
今後も、多くの選手が富士スピードウェイを駆け抜けて、世界に羽ばたいていって欲しいものです。