2019年10月11日金曜日より13日の日曜日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにてF1選手権第17戦「2019年F1日本グランプリ」が開催されました。
motoGPきたけど、先週のF1日本GP!
F1は迫力がある、レース時間が長い、という点でmotoGPに勝る
motoGPはお祭り感が強い#F1日本GP pic.twitter.com/ylYRhLrMJQ— りの (@Reno_Daytona675) October 19, 2019
トロロッソ・ホンダチームの金曜日フリー走行1回目。
山本尚貴選手(31歳)が日本国籍選手として、2014年の小林 可夢偉選手(当時28歳)がケータハムF1チームでレギュラー参戦して以来の、F1レース公式セッション出走となりました。
トロロッソ・ホンダの山本尚貴が笑顔でコースウォークへ【F1日本GP鈴鹿木曜日写真だより】 https://t.co/vTPH55Ut5M #F1jp #F12019 #F1日本GP #F1の準備 #鈴鹿F1 #F1日本人ドライバー #ダブルチャンピオン #HondaF1 pic.twitter.com/a8LbVb3GmP
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セッション出走した20台中17位という結果に終わりましたが、レギュラー参戦ドライバーに代えてまで出走の機会を得られた事には運の強さと、長年山本選手が所属しているホンダ陣営での後押しもあったからです。
ふとここまで見ていくと、なぜ日本人のF1ドライバーが誕生しない状況が続いているのか、皆さんも疑問に感じているのではないでしょうか。
そこで、今回は日本人のF1ドライバーが何で現在は不在なのか、なり得るべき人材が少ないのか、企業のバックアップが弱いのか。考えてみましょう。
過去の日本人F1ドライバー(シーズン通して半数以上参戦した選手のみ)
中嶋悟 さん(1987年‐1991年)
鈴木亜久里 さん(1988年‐1995年)
片山右京さん(1991年‐1997年)
井上隆智穂さん (1994年‐1995年)
中野信治さん (1997年‐1998年)
高木虎之介 さん(1998年‐1999年)
佐藤琢磨 選手(2002年‐2008年)
中嶋一貴 選手(2007年‐2009年)
小林可夢偉選手(2009年‐2014年)
シーズン通じて半分以上のレースに参戦し活動してきた日本人選手は10名。
F1レースの出走台数自体が1990年前後では30台あったにもかかわらず今現在は20台に留まっている為、その中で参戦する為のシートを掴み取るには相当苦労と結果が伴います。
1987年に中嶋悟さんが日本人として初めてのフル参戦ドライバーとなり、以降鈴木亜久里さんと片山右京さんが長く参戦を続け、鈴木さんは1990年日本GPで日本人選手初の3位表彰台を獲得しました。
後に2004年アメリカGPでは佐藤選手、2012年日本GPでは小林選手が3位表彰台を獲得し、3位が日本人の最高位となっています。
日本人ドライバーの人材不足か?
2020年 F1ドライバーラインナップ … 未発表はウィリアムズの1枠のみ#F1jp | #F1 | #Formula1 | #F12020 https://t.co/wM2WFLF3ny
— F1-Gate.com (@F1Gate) November 12, 2019
優勝こそ経験なしにも関わらず、表彰台を獲得する程の実力があった日本人選手。
今現在、F1ドライバーに日本人選手が不在の理由は『人材育成が上手く行っていないから』です。
日本の大手自動車メーカーであるホンダとトヨタ自動車は、ホンダは所有する鈴鹿サーキットを本拠とした「SRS(鈴鹿レーシングスクール)」を、トヨタ自動車は所有する富士スピードウェイにて毎年「FTRS(フォーミュラトヨタレーシングスクール)」を主宰し若手ドライバーの発掘育成に努めています。
しかし、現実はF1にたどり着くまでのカテゴリーで結果を出せず年齢が経過していってしまう事が殆どです。
近年のF1ドライバーは早ければ日本の高校を卒業する18歳程度でデビューしてしまう程の若年齢化が進んでいます。
加えて「スーパーライセンス」というF1カーに乗ってレースに出る為の資格を取得出来る基準が厳しくなった事も背景にあると考えられます。
スポンサー企業のバックアップが弱い?だから乗れない?
#F1ドライバー を育てる #フェラーリ のプログラムがあるんだ!
ミック・シューマッハがフェラーリのアカデミー加入、「夢のF1へまた一歩前進」 https://t.co/RWiZZvoP96
— renpa2015 (@renpa2015) January 20, 2019
モータースポーツ界も、広告宣伝といったビジネスで成り立っている業界です。
お金をチームや選手に出してくれる会社が現れなければ、活動する為の資金が集まらない為レースが出来ません。
日本人ドライバーも例外ではなく、ドライバー個人に対するスポンサー企業のバックアップが無いと、シート獲得の為の交渉の席にすら座れません。
中嶋悟さんは自動車ライト等のグッズを開発販売している「PIAA」、片山右京さんは「日本たばこ」といった企業からの支援を受けていましたし、佐藤琢磨選手は「ホンダ」の育成ドライバーであり「SRS」の卒業生として多大な支援を得ていました。
それだけ、F1に乗る為に実力だけでなく支援も必要であるという事を認識すると、より楽しくF1を観る事が出来ます。
まとめ
残念ながら、現状では上記2つの「壁」が高くそびえており、日本人ドライバーにとってF1という目標はそう簡単ではない状況です。
救いである事は、傘下カテゴリである「FIA F2」「FIA F3」でそれぞれ日本人が参戦し勝利等の成果を挙げている事です。
スーパーライセンスの取得まで道程は長いですが着実に進んで、最終的にはF1に昇格して欲しいなと感じています。
また、日本GPフリー走行を走った31歳の山本選手も、日本国内のレースでは王座に輝いた実力を持つ選手ですし、スーパーライセンスも取得する等現役のF1ドライバーにひけをとらない速さを持っています。
彼の今後の動向にも注目していくと、よりF1中継を楽しく観る事が出来るのではないでしょうか。