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初心者~底辺プロが集まるボクシングジムのリアルを紹介するよ

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私は近所のボクシングジムに通って早5年の30歳前半の男性です。

このボクシングジムには世界戦も戦った会長、そしてトレーナー2名が在中し、初心者からプロ、学生から初老まで幅広く指導をしてくれます。

みんな月謝を払う会員ですが、そこには「初心者」「中級」「底辺プロ」「中級プロ」の階層が存在し、カーストが形成されています

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初心者の友達はサンドバック

このジムの全体の流れは初心者もプロも同じでシャドウボクシング→トレーナー相手のミット打ち→サンドバック→縄跳び、腹筋などのトレーニングというもので質、量は個人に任されています。

初心者レベルの人は中高年や主婦層が多く、汗をかければいいという発想なのでトレーニング中もよくしゃべっています。

拳にはバンデージではなく分厚いサポーターをつけます。

彼ら彼女らにとってシャドウボクシングは苦痛です。

余った脂肪、不格好な姿勢、遅い動き。

その自分と3分向き合わなければならないわけです。

しゃべらないとやってられないだろうと思います。

つぎのミット打ちはもっと苦痛を伴います。

トレーナー主導で前後左右に揺さぶられ、ぎりぎり続けられるペースで打たされ続けることになります。

彼ら彼女らは言葉を失い、笑うしかありません。

これをだいたい3ラウンド行ったあとはサンドバックがやってきます。

サンドバックはみんな大好きです。

なぜなら、自分の姿を見なくていい、打てと強制されることもない、そして確かに打つ感触が体に残るわけです。

このときは初心者であってもボクサーになります。

たしかに「その構えじゃ打たれ放題じゃないか」とツッコみを入れたくなります。

でも、彼ら彼女たちの日常においてこの瞬間こそがかけがえのない時間であるように思えます。

サンドバック。

それは初心者をも無言で受け止めてくれる最高の友達なのです。

中級者がプロ転向を拒む理由

中級者は初心者とは違い、動けてスパーリングもできるがプロにはなれない、なろうとしていない人のことを指します。

バンデージをしっかり巻き、グローブもレンタルでなく自前です。

ちなみに筆者もこの層に所属しています。

シャドウボクシングも熱心に行い、構えに足の運び、ガードの高さなどなど基本的な動きを色んな組み合わせで行います。

ミット打ちでは目つきは真剣そのもので、3ラウンド終わるころにはヘロヘロです。

そしてサンドバックで気持ちよく打ちまくり、腹筋や縄跳びをして体を絞り上げて練習を終えます。

それで満足するのが中級者特有のマインドです。

ボクシングへの欲求はジムの練習ですべて完結しています。

プロにはなりません。

なぜなら「減量してまでボクシングしたくない」というのが率直な意見で、私はボクシング→シャワー→ビールという最高のルーティーンを週2回味わえることがなによりもの喜びになっています。

やるからにはうまくなりたい、強くなってみたいと思いますが、ジムを出るとボクシングのことは考えません。

プロの世界は厳しいことは傍から見てすぐわかりますし、その一歩を踏み出した人をただただ尊敬します。

それを望まない中級者は今日も居酒屋に繰り出すのです。

底辺プロボクサーのマウント

底辺プロボクサーとはプロになったもののなかなか勝てない人のことを指します。

彼らは基本的にアウトローの気質をもち、現場での仕事を終えて軽自動車か原付でやってきます。

シャドウボクシング、ミット打ち、サンドバックとも中級者とはレベルが違い、早朝は走り込み、減量もしている彼らは生活がボクシング一色なので当然です。

しかし、スパーリングを見ると何か足りず、踏み込み、パンチが浅くスピードも目で追えます。

要するに一瞬で懐に入り、打ち込んだ後すぐに安全圏に戻ることができないのです。

だから、底辺プロ同士の対戦は肉弾戦になり、勝者も敗者も試合後の顔は腫れあがります。

本人たちもそれは自覚していて何とかしようともがきますが、必ずしもうまくいくわけではありません。

そしてその苛立ちの矛先はアマチュアに向けられ、彼らはプロでは大したことないですがアマチュアよりは凄いので、その格の違いをアピールしてきます。

数が限られた道具を「プロを差し置いて使うのかよ」的なアピールをしてアマチュアが譲ってくれるのを待つわけです。

こうした繰り返しで、アマチュアは18時~20時の時間を避けて通うライフスタイルになっていき、今日もジムでは「大して強くねーくせに偉そうに」という小言が聞こえてくるわけです。

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中級プロボクサーは移籍してしまう

そんなジムでも凄いボクサーはいます。あきらかに動きのキレが違い、打って、離れて、様子を伺い、崩してまた打ち込むという、まさにボクシングができています。

このレベルになるとサンドバックは喜んで譲り、3分見続けてしまいます。

「ああ、こんな感じで動けたら楽しいだろうな」と思わせる魅力があるわけです。

彼らの振る舞いはすごく静かで、底辺プロのような暴れまくってる感じはなく、たんたんとやることを忠実に積み重ね、感覚を研ぎ澄ますような練習をします。

そしてしばらくすると中級、上級プロばかりがいるジムへ移籍することになり静かにジムを去っていきます。

その結果、底辺ボクサーであふれていくジムは元ヤンキーのマウントによって牛耳られていくことになるのです。

まとめ

初心者と中級者はライフスタイルとしてのボクシングを楽しみ、底辺プロは有り余るエネルギーをボクシングにぶつけ、ヤンキー特有のマウントをとりたい欲求を満たす場となっているのがボクシングジムのリアルであり、そのサイクルが回り続けることで経営は順調に続いていくことになるのです。

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