皆さんにとって自動車とはどんな道具ですか?と聞かれれば大抵の方が「座っているだけで楽に遠くに行ける乗り物」と思うのではないでしょうか。
確かに自動車は暑い寒いもなく、雨風もしのげる快適な空間に座っているだけで歩くよりも走るよりも圧倒的に速く目的地に着くとても便利な道具です。
しかし同じ自動車でもレーシングマシンとなれば話は別なのです。
モータースポーツがなぜスポーツなのかをご紹介していきます!
F1ドライバーは運転するだけだから体力が不要?
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— F1速報 (@F1Sokuho) October 27, 2019
モータースポーツをあまり見たことの無い方から
「座って運転してるだけで自分の体を動かしてないのだから疲れないしスポーツではない。」
「ちょっと速い速度で運転するだけなら自分にも出来そう。」
なんて言葉をよく聞きます。
一般的には自動車を運転するというのは歩くより楽なことというイメージがとても強いのだと思います。
しかしF1ドライバーは日々過酷なトレーニングを行い、過去には鉄人レースと呼ばれるトライアスロンをあっさりと完走した選手がいるくらいのレベルの体力を擁しています。
そして、この体力がないと到底F1でレースに出場など出来ないのです。
なぜ、そこまでの体力が必要なのか?
それは同じ自動車でもF1マシンは異次元の乗り物だからなのです。
F1ドライバーは戦闘機パイロット!?過酷なGとの戦い!
F1速報では本日3時から始まるF1第18戦メキシコGP予選の模様をコメントライブでお伝えしていきます。 https://t.co/v3HU3AG8Gf #F1 #f1jp #F1メキシコGP pic.twitter.com/2dwrRrXrl5
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皆さんは自動車に乗っている時に急カーブで体が外に振られた事はありませんか?
またはジェットコースターで宙返りをするときに逆さまになっているのに下ではなく上方向にあるコースターの床に体が押し付けられる感覚を体験した事が有る方も多いと思います。
あの外側に体を持っていこうとする遠心力をGと呼びます。
戦闘機のパイロットはかなり鍛えていないと強烈なGに耐えられず失神してしまうというのは良く聞く話ではないでしょうか?
ちなみに戦闘機の最大旋回Gは約9Gと言われています。
一般的なスポーツカーの急加速ですら0.8G程度。
ちなみに9Gは体重70キロの人だと9倍の630キロで押しつぶされる様な感覚です。
それではF1マシンの旋回中はどれほどの力が発生しているのか?
2017年の記録ではなんと最大6.3G!
さらに平均して各コーナーで4.5G~となっているのです!
常に体重の4倍から6倍の力を受けながら狭いコックピットで約3時間のレースを戦い続けるF1ドライバー!!
戦闘機のパイロット並みの体力が必要なのがおわかりいただけたと思います。
ちなみに重いヘルメットを被ってGを受けるドライバーの首は格闘技の選手並に鍛えられています。
Gだけじゃない!暑さとの戦い!
レッドブル・ホンダF1密着:フェルスタッペンが初日2番手の好発進。高地メキシコGPではターボ効率が高いホンダPUに強み https://t.co/6FNNELD4PN #F1 #f1jp pic.twitter.com/28A92KZS4W
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レーシングドライバーを襲う過酷な状況はGだけではありません。
レーシングドライバーが着用しているレーシングスーツは万が一のクラッシュに備えて耐火スーツになっています。
技術が進歩したとはいえ耐火素材の練りこまれた耐火スーツはかなり通気が悪く、合わせてヘルメットも装着するドライバーはかなりの高温に晒されます。
さらにF1マシンはエアコンなども無く、超高温になるエンジンは構造上ドライバーの背中の部分。
むき出しの運転席とはいえ、ドライバーは幾多の熱に耐えなければなりません。
さらに世界中を転戦するF1では灼熱の中でのレースもあります。
想像してみてください。
真夏の炎天下の中で完全に通気性の無い長袖長ズボンにヘルメット装着して、ストーブを焚いて2時間……。
並みの体力ではとても耐えられません。
走行中のドライバーには結局何が起こっているの?
F1第18戦メキシコGP FP1:濡れ乾きのコンディションのなかハミルトンがトップタイム。レッドブル・ホンダは3、4番手 https://t.co/x7wdLrzVyk #F1 #f1jp pic.twitter.com/kizXcszin6
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先にお話した通り、レース中のF1ドライバーは常に強烈なGを受け、暑さに耐えながら走行しています。
また、耐えるだけでなくその状況下で最高時速300km/hのモンスターマシンを繊細な針の穴を通すような走らせ方をしたり他のドライバーとの駆け引きなどに最大限の集中力を使います。
ちなみにレース時のドライバーのMAX心拍数は200を超えるといいます。
これはマラソン選手の競技時の心拍数に匹敵します。
また、1レースで最大5Lの水分を失うこともあるそうです。
これがモータースポーツがスポーツと呼ばれる理由なのです。
まとめ
F1マシンはまさに地上の戦闘機です。
そしてそれを操るドライバーも選ばれし戦士なのです。
レースなどを見ているとどうしてもマシンに目が行きがちですが、レース前後やレース中のカメラ映像に映る、マシンを操るドライバーに目を向けるとよりいっそうレース観戦が楽しくなりますよ。