1ヶ月半にわたる「祭」が終わった今、ラグビーロスに陥っている人がどれくらいいるでしょうか?
特に日本人では、ラグビーワールドカップが開催される前には、ラグビーロスになっている今の状態を予想できた人の方が少ないでしょう。
開催前までは、まだラグビー後進国であるアジア初のワールドカップ開催は盛り上がりが危惧されていました。
放映権などは主催のワールドラグビーが持っていくため、日本としては入場料が命。
きっと、税金を投入せざるを得ない赤字になって、森元総理はバッシングの嵐になるに決まっていると言われていたものです。
ところが、森元総理は上機嫌。それもそのはずで、どのスタジアムも日本戦以外あっても満員、結果だけ言えば日本開催ラグビーワールドカップは大成功だったと言えるでしょう。
ラグビーは群雄割拠!日本代表にもチャンスがある
1⃣ First team to win after losing their opening game
1⃣ Only team to win the Rugby Champs and World Cup in the same year
🏆 Champions of the World#StrongerTogether #RWC2019 pic.twitter.com/JeoJzoIpnI— Springboks (@Springboks) November 2, 2019
優勝は、スプリングボクスこと南アフリカ代表が勝ち取りました。
予選ラウンド初戦でオールブラックスに敗れた時は、まさかスプリングボクスが優勝するなんて世界中のラグビーファンが、スプリングボクスファンであっても思わなかったでしょう。
ランキング1位のチームを見ると、大会開始前はアイルランド代表、大会中にニュージーランド代表、イングランド代表、そして今は優勝した南アフリカ代表と目まぐるしく変わっているのです。
実力どおりの決着になることが多いラグビーで、この大会では番狂わせも多かったのです。完全フィジカル勝負だったものが、日本代表や南アフリカのデクラーク選手やコルビ選手などはフィジカルだけでなくスピードにも長けており、新しい形のラグビーが生まれてきたのではないでしょうか。
ラグビー新時代の幕開けで、フィジカルとしては不利だった日本代表もスピードや連携力を磨けば、ティア1入りも夢ではないかもしれません。
とにかく日本ラグビーにとって、今回のラグビーワールドカップが分岐点になったことは言うまでもないでしょう。
ラグビーの精神が日本中に広まる
特に1月から始まるトップリーグ @JRTopLeague 、スーパーラグビー @SuperRugby は、日本・世界の代表選手たちの試合を日本で観られるチャンス❗#RWC2019 pic.twitter.com/bITXY4cip1
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) November 5, 2019
4年前のブライトンの奇跡、五郎丸選手ブームでちょっとは火がついたものの、消えゆく炎になりつつあったラグビー。
特に女性からは、ラグビーは「汗臭そう」「ごっつい」「よく分からない」と敬遠されがちで、不人気スポーツの道を突っ走っていましたが、ワールドカップを機にイメージは一気に変わったと言ってよいでしょう。
Twitterなどの口コミも見ても、「こんなに面白いスポーツだったとは」「完全にラグビーにハマった」とラグビー好きになった人が大増殖しているのです。
しかも、これまで皆無といっても良かった女性ファンもたくさんいるので、いままでを考えたら衝撃的なのです。
今はまだにわかファンで、熱しやすく冷めやすいでしょうが、ラグビーの精神が日本じゅうに広まったことは大きいと言えます。
他のスポーツ以上に、試合後は敵味方問わず健闘を讃え合うノーサイドの精神は日本人の美徳に通じるものがあり、ラグビーワールドカップを通じて日本人の心に深く刻みこまれました。
ノーサイドの精神は会場はもちろん日本中で、選手や海外のラグビーファンが絶賛してくれた、どこでも礼儀が正しくお辞儀する日本人の姿勢に通じるものがあり、日本人そのもののイメージアップに多大なる貢献をしてくれました。
イメージアップは数値には出せないものの、これは今後10年・20年と日本人にとってプラスになるものではないでしょうか。
おもてなしワールドカップが得たもの
国歌で世界を #おもてなし しよう🎤🎵
出場20チーム国歌の歌詞カードを配布中👇https://t.co/YAMzc7ErLq#RWC2019 pic.twitter.com/mhhjAP4fZB— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) September 19, 2019
今大会のラグビーワールドカップは、一言で言えば「おもてなしワールドカップ」だったでしょう。
北九州でのウェールズ国歌を大合唱した練習会場をはじめ、どこの国の国歌も歌う日本人の姿が各国で話題となり、オールブラックスには柏の子供達がハカを舞って歓迎、試合後はボランティアが帰路に着く外国人ファンたちにハイタッチしてお見送りなど、いまだかつて受けたことがないような「おもてなし」に世界が驚いたのです。
もちろんホスト国へのリップサービスもあるでしょうが、各国のヘッドコーチ、選手が口々に「最高の大会だった」「お客さんが素晴らしかった」と言ってくれており、日本人のおもてなしの心は間違いなく、世界に衝撃を与え、感動を作り上げたと言ってよいでしょう。
そしてその心は、外国人にもつながり選手でいえばオールブラックスをはじめ、各国選手が日本の礼法であるお辞儀でファンに感謝をし、台風で中止となってしまい悔しい想いの中、カナダ代表とナミビア代表は被災地でボランティア活動までしてくれました。
大袈裟なことを言えば、この日本人のおもてなし精神は、ラグビーというスポーツを通して世界に広まり平和への導きにすらなるのではないかと思ってしまいます。
そして、日本人としては日頃から意識なく行なっているお辞儀などの行為も、素晴らしいおもてなしなのだと、よりおもてなしに磨きをかけていくべきだと再認識できたのではないでしょうか。
日本ラグビーの新たな1ページへ
【日本代表】
2020年7月に行うイングランド代表戦2試合は、下記の会場で実施します。
■ 7月4日(土)@昭和電工ドーム大分
■ 7月11日(土)@ノエビアスタジアム神戸
チケット・テレビ放映などの情報は決定次第ご案内します。(写真は昨年時のもの。1枚目が大分、2枚目が神戸)#rugbyjp #OneTeam pic.twitter.com/OQ4jmCSj7s
— 日本ラグビーフットボール協会 (@JRFUMedia) November 8, 2019
5年後、10年後、日本ラグビーにとって、今大会は大きな分岐点であったと言われるに間違いないでしょう。
日本代表は、世界で戦っていける自信が付いただろうし、より上を目指すモチベーションも生まれたはずです。
日本ラグビーの新たな1ページがめくられました。
今後は、より底上げしていくためにも、ラグビーをブームから文化にしていく必要があります。
今のラグビーブームは絶好のチャンスです。
トップリーグのプロ化、高校や中学での部活でラグビー部のある学校を増やす、子供から大人まで気軽にできるラグビーの普及など、草の根的にラグビー層を増やしていくことで、目標としている20年後の再び日本開催のワールドカップにて、歓喜の優勝に日本代表ことブレイブブロッサムズは酔いしれているかもしれません。
まとめ
「ラグビーワールドカップが終わってから始まる新たな1ページ!」というテーマで総括してみました。
オリンピック、サッカーワールドカップなど一通り開催経験のある日本ですが、今回ほど大成功だった大会もないのではないでしょうか。
台風での中止は残念でしたが、ラグビーの楽しさが日本中に伝わり、日本人のおもてなしの精神が世界中に伝わる、日本人にとって忘れなれない大会になったといえるでしょう。