ブンデスリーガは今シーズン、史上まれにみる混戦模様となっています。
EL出場圏内の6位から首位までの勝ち点差は僅かに3ポイントとなっています。
そんな中で、現在リーグ7連覇中のバイエルン・ミュンヘンは徐々に世代交代を進めつつあります。
果たして、今シーズンのバイエルンはスムーズに世代交代を行い、前人未到の8連覇を成し遂げることができるのでしょうか?
混戦のブンデスリーガ
今シーズンのブンデスリーガは、史上まれにみる混戦ぶりとなっています。
過去数年はバイエルンが独走で優勝を果たしたシーズンもありましたが、ここまで(9節終了時点)の結果を見ると、今シーズンは最後まで優勝争いが繰り広げられることになりそうです。
冒頭で述べたように、首位から6位までの勝ち点差は僅かに3ポイント、そして10位のフランクフルトとも僅かに5ポイントしか離れていません。
現在首位に立っているのはボルシア・メンヘングラードバッハ(勝ち点19)で、その後にバイエルン・ミュンヘン(勝ち点18)、フライブルク(勝ち点17)、ヴォルフスブルク(勝ち点17)が続いています。
さらにこれに続いて、近年力を付けているホッフェンハイムが5位(勝ち点17)、ここ数年毎年のように優勝争いを演じているドルトムントが6位(勝ち点16)に位置しています。
さてそこで気になるのが、これら上位のチームの中で最終的に優勝を争うのがどのクラブなのかということですが、まず大本命がディフェンディングチャンピオンのバイエルン・ミュンヘンであることは間違いないでしょう。
リーグ7連覇という実績から考えても、また戦力の充実度という点から考えても、バイエルンが優勝候補の筆頭であることは疑い得ません。
問題はどのクラブがシーズンを通してバイエルンに対抗できるのかということですが、おそらく現実的にはボルシア・メンヘングラードバッハ、ホッフェンハイム、ドルトムントの3チームが7連覇中の王者を苦しめることになると予想されます。
どのチームもここ数シーズンリーグで上位に位置しているチームであり、ドルトムントに関しては2011-2012シーズンに優勝も果たしています。
結果的にどのチームが優勝しているかは現時点ではまだ予測できませんが、いずれにしても今シーズンのブンデスリーガが混戦必至であることは間違いないでしょう。
世代交代を進めるバイエルン
“Mein Bruder & ich danken dem FC Bayern für die zurückliegenden knapp anderthalb Jahre. In dieser Zeit hat unsere Mannschaft die Meisterschaft, den DFB-Pokal & den Supercup gewonnen. Es war eine gute Zeit. Ich wünsche dem Klub & der Mannschaft alles erdenklich Gute.” Niko Kovač pic.twitter.com/ESoEIiDyPI
— FC Bayern München (@FCBayern) November 3, 2019
バイエルン・ミュンヘンは今シーズン、リーグ8連覇という偉業に挑む一方でチームの世代交代にも着手しています。
あるいはもっと正確に言えば「世代交代を余儀なくされた」と表現すべきかもしれません。
今夏の移籍市場で、バイエルンからは何人かの主力選手が移籍、または引退していきました。
その中で、現在のチームの世代交代に大きな影響を与えたのがいわゆる「ロベリー」と呼ばれた2人、フランク・リベリーとアリエン・ロッベンです。
この2人は過去7度のリーグ制覇を一貫して支えてきたプレイヤーであり、共にヨーロッパ屈指のアタッカーでもありました。
この様なプレーヤーがチームから離れたわけですから、当然監督あるいはクラブ全体としてもチームの世代交代に着手する必要が生まれたわけです。
ここまでのところ、この試みはまずまず順調に進んでいるように見えます。
昨シーズンまでは、中盤の左サイドにリベリー、右サイドにロッベンという布陣が多かったわけですが、今シーズンは左サイドにはコマン、ニャブリ、ペリシッチ、コウチーニョなどが入り、右サイドにはコウチーニョを除いた左サイドと同じ選手が入っています。
こうした選手起用により、リベリーとロッベンという30代中盤の選手に代わって、ペリシッチを除けば全員が20代という陣容になっています。
そしてこのことの副作用として、これまで長らくスタメンを張ってきたミュラー(ペリシッチと同じく30歳)もベンチを温める機会が多くなっています。
まさに、世代交代が着実に進んでいるわけです。
衰えの見えない絶対的エース
レヴァンドフスキのキャリア・ベストゴール3選。デカい、速い、巧い!日本にもこんなFW出てこないかなー。 #サッカー動画 #サッカー好きな人RT pic.twitter.com/EzO2S7xy6g
— サッカー⚽神業、神プレー動画 (@soccermov) November 2, 2019
バイエルンのエースストライカーと言えば、ここ数年はレヴァンドフスキがその大役を担ってきました。
しかし、そんな彼も今年で31歳となることから、シーズン開幕前にはその衰えを心配する声も少なからずありました。
ところが、蓋を開けてみるとその活躍ぶりは例年と全く変わらないどころか、さらなる進化を遂げた感すらあります。
レヴァンドフスキはここまでのブンデスリーガは全9試合で既に13ゴールを記録しています。
しかも、リーグ新記録となる9試合連続ゴールという離れ業まで成し遂げているのです。
今シーズンも彼が絶対的エースとしてチームを引っ張っていくことは間違いないでしょう。
今後の懸念材料はズーレの離脱
【ドイツ代表】再建の「顔」ニクラス・ズーレの離脱に、落胆するレーヴ監督https://t.co/EVXBsW190Q
— kicker|ブンデスリーガ日本語版 (@kicker_jp) October 21, 2019
今シーズン、開幕からまずまずのスタートを見せたバイエルンですが、ここに来て大きな懸念材料が生まれることになりました。
第8節のアウクスブルク戦でニクラス・ズーレが左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまったのです。
ズーレは2017-18シーズンにホッフェンハイムから加入し、それ以来CBのレギュラーとして確固たる地位を築いてきました。
今シーズンも開幕からCBの一角としてディフェンスラインの中心を担っていただけに、今回の負傷がチームにとって大きなマイナスになることは間違いありません。
しかも、靭帯の断裂は長期離脱を余儀なくされる負傷であるため、コヴァチ監督は早急なディフェンスラインの再編を迫られることになります。
全体的に見て順調に推移してきたチーム状況の中で、この点だけは唯一懸念材料と言える部分です。
まとめ
現在までに9節を消化したブンデスリーガは、近年稀に見る混戦ぶりを見せています。
王者バイエルン・ミュンヘンは開幕からまずまずのスタートを切りました。
ロベリーの退団に伴い、今シーズンのバイエルンでは大幅な世代交代が進められています。
8連覇を狙う王者バイエルン、そして混戦模様のブンデスリーガから今シーズンも目が離せません。