ラグビーには他のスポーツと違う点がいくつかあります。
一見、サッカーなどと同じように感じる人も少なくないかもしれませんが、独自のスポーツとしての捉え方が面白いと思ったのでまとめてみました。
ラグビーは何故、自己犠牲の精神といわれる!?
TVerでラグビーWC日本vsスコットランド戦のハイライト見たけど、改めて今見ても泣けてくるなぁ…
何で泣けてくるんだろ?と考えたけど、きっとこの試合はオフロードパスでの得点が多かったからだと思う。自分は潰されても仲間に託す。その自己犠牲とチームスポーツならではの美しさに涙腺が緩むんだな pic.twitter.com/3gAaH92qgm
— RK (@kawauchi_co) October 27, 2019
ラグビーというスポーツでよく耳にするのが「自己犠牲」という言葉です。
では何故、ラグビーだけが「自己犠牲」の精神だと言われるのでしょうか?
どんなスポーツでもチームプレーをすれば自己犠牲のスポーツとなるのではないかと思います。
しかし、ラグビーが自己犠牲の精神のスポーツだといわれる理由には、フォワード陣の献身的な働きが理由の一つとなっているのではないでしょうか。
ラグビーではポジションごとに働きがあって、フォワード陣は特に身体を張った仕事が多くなります。
基本的にはフォワード陣がスクラムやモールなどで身体を張って、バックス陣がトライを狙いにいくという形になります。
自己犠牲のプレーはフォワード陣だけではありません。
バックス陣が攻撃する時にも身体を使い、タックルされてもボールを活かしたり、ディフェンスでは自ら身体を投げ出しタックルにいきます。
また、ラグビーにはオフサイドというルールがあります。
これは、密集ができた時に味方をサポートする際、その密集にかかわる人は前の位置にいたら関われないという反則です。
自陣に戻るように回りこんで後ろから参加しなくてはいけないというものです。
そのため、ボールを保持した選手が何度も倒れながらまた立ち上がり少しでも前に進もうとするのは、チームのボールを少しでも相手陣に進めたいというだけでなく、ボールを保持した選手が少しでも前に出ることで前にいる選手が運動量を使って戻ることなく密集に参加できるようになるためです。
ボールを保持した選手が一歩でも前に出ることで、仲間が余計な運動量を使うことなくプレーに参加できるのです。
こういったプレーが必要となることから『仲間のため・チームのため』という意識が他のスポーツよりも強くでる競技と言えるのではないでしょうか。
これが自己犠牲の精神であり、ラグビーというスポーツを形容する時に代表的な言葉として有名な
『One for all,All for one(1人はみんなのために、みんなは1つの目的のために)』
という言葉につながるのではないかと思います。
ラグビー競技ならではの考え方!?
ラグビーは、サッカーなどと似たスポーツに感じる人も少なくないようです。
しかし、ラグビーにはラグビーならではのスポーツとしての考え方があります。
例えば、ゲームを進めるうえでラグビー競技は基本的発想が「慣習法」だと言われています。
慣習法とは、自由にプレーをやらせて何かあったら笛を吹くというスタイルで、逐一プレーをチェックしてはすぐに笛を吹くというスタイルではないということです。
反則でもすぐに笛を吹かず、アドバンテージを認めるという発想です。
ラグビーはルール(規則)ではなく、ロー(法)の下でプレーされるという考え方のスポーツとなっています。
また、ラグビーは性善説で「基本的には人は善で正しいという考え方」とされています。
そのため、自由にプレーをさせて何かあれば審判が判定するというスタイルが原則のようです。
ファウルを毎回、1回ずつとるのではなくアドバンテージとして流すといったレフェリングも多くみられるのはこういった理由が原点にあるからと言えます。
また、ラグビーの場合はフィジカルを活かした当たりが多くあるので、ファウルを片っ端からとり始めると、ゲームが進まないという理由もあります。
最近ではTMO(テレビマッチオフィシャル)が導入され判定も厳密になってきていますが、基本的には慣習法というスタイルとなっているようです。
これら、ラグビーには一見すると気づかない独自のルールや考え方、スタイルを持ったスポーツとなっています。
ラグビーのルールで、やたら競技規則の細かい文言に拘る人がいるけど、それはほとんど意味がない。
ラグビーのルールはいわば慣習法の側面が大きい。競技規則には最低限しか書いてない。だからやろうと思えば色々な解釈が成り立つ
でも実際のプレーを踏まえないで色々な解釈をしたところで全く無意味
— ARMOUREDBEAR13 (@ARMOUREDBEAR13) October 9, 2018
ラグビーにはフーリガンが存在しない!?
ラグビー観戦の特徴の1つとして、観客席では敵・味方関係なく入り混じって一緒に観戦するスタイルが挙げられます。
これが、サッカーなど他のスポーツと大きく異なる点で、サポーターがゴール裏などに陣取り応援をやり合うということがありません。
ラグビーという競技では、ファンのフーリガニズムが存在しないとも言われています。
味方も相手も称えるという観戦スタイルがフーガリズムを生まない理由になっているのかもしれません。
また、ラグビーにはノーサイドの精神があります。
ノーサイドの精神は、試合中の激しいやり合いも「試合が終われば勝利の側も負けた側もない」という崇高なラグビー精神です。
観戦に訪れるファンも比較的穏やかで、試合前や試合後に喧嘩や言い合いなどをやり合うということが殆どありません。
これが、ラグビーが紳士のスポーツと言われる所以かもしれません。
また、鳴り物も禁止なので、太鼓の音などが試合中鳴り響くということもありません。
基本的には人の拍手や声が応援の根本となっています。
こういった部分もラグビーならではの観戦スタイルとなっています。
ラグビーの歴史や誕生した経緯!?
ラグビーのルーツはサッカーと同じくフットボールです。
発祥の地はイギリスとして知られていますが、1823年、イングランド中部のウォリックシャーのラグビーという町にある学校で、フットボールの試合中に生徒がボールを手で持って走り出したことだとされています。
その時の高校が『ラグビー校』だったことからラグビーというスポーツ名になったそうです。
最近のニュースで、この英国のラグビー校(1567年設立)が日本に姉妹校を開校するというニュースもありました。
その後、イギリス周辺の北半球とオーストラリア周辺南半球で盛んに行なわれてきました。
今大会では日本の躍進が目立ちました。
世界からも賞賛されましたが、日本以外にアジアの国が出場していないことを考えると、アジアを代表したという意味でも大きな活躍だったのかもしれません。
また、南米ではアルゼンチンが過去に何度もベスト8に進出しています。
南アフリカも1995年に優勝してから安定した成績を残し、現在では強豪として知られています。
しかし、それらの国が強くなるまではラグビーの強豪というと、北半球(イギリス、ウェールズ、スコットランド、アイルランド)と南半球(ニュージーランド、オーストラリア、アイランダー3国)を中心に行なわれていました。
歴史からみても、南アフリカはもちろん、日本やアルゼンチンが強くなってきていてウルグアイなどが力をつけているなど、少しづつ世界にラグビー文化が広がってきていると言えるのではないでしょうか。
まとめ
ラグビーというスポーツが独自にもつ考え方や観戦スタイルなどについてまとめてみました。
他のスポーツとの違いなど、ラグビーならではの特徴的なテーマについて記載しました。
一見、試合を観ただけでは気づきにくいラグビーならではのルールや観戦スタイルがあります。
それぞれのスポーツに良い箇所はありますが、ラグビーならではの風習にも素晴らしい点が多くあります。
これからラグビーを楽しみたいという人は、こういったことも知ったうえで観戦すると、より深くラグビーを楽しめるかもしれません。
同じ似たようなスポーツであるサッカーとも文化や捉え方が若干、違うことがあるようです。