今シーズンもヨーロッパ各国のリーグが開幕し、セリエAでもこの時点で7節が消化されています。
セリエAではほぼ毎シーズンのように優勝を争うチームがあります。
それが、今シーズンもここまで首位に立っているユベントスです。
しかし、ここ数シーズンセリエAを席巻してきたユベントスも今シーズンはいよいよ王者の座を明け渡すことになるかもしれません。
ユベントスの後塵を拝すナポリ
ユベントスはセリエAにおいて非常に古くから強豪クラブとして君臨してきました。
また、近年に限って言ってもまさに「王者」という言葉にふさわしい成績を残しています。
ここで改めて振り返ってみると、2010年以降ユベントスは以下のような成績を残しています。
ユベントスの成績
・2018-2019:1位
・2017-2018:1位
・2016-2017:1位
・2015-2016:1位
・2014-2015:1位
・2013-2014:1位
・2012-2013:1位
・2011-2012:1位
・2010-2011:7位
このように、ユベントスは2011-2012シーズンから2018-2019シーズン(昨シーズン)まで目下8連覇中なのです。
そして、冒頭でも述べたようにユベントスは今シーズンもここまで(7節終了時点)首位に立っています。
文字通り、イタリア最強のクラブとしてその力を見せつけているわけです。
しかし、このユベントスにもリーグ優勝を果たす上でのライバルがいないわけではありません。
8連覇の最中においても、あと一歩のところまで追い込んだクラブがあったのです。
それが、今回紹介するナポリです。
ナポリというクラブはセリエAでも過去に2度優勝を経験したことがあり、近年も優勝こそ逃しているものの非常に優秀な成績を残しています。
ナポリについても2010年以降の成績を振り返ってみましょう。
ナポリの成績
・2018-2019:2位
・2017-2018:2位
・2016-2017:3位
・2015-2016:2位
・2014-2015:5位
・2013-2014:3位
・2012-2013:2位
・2011-2012:5位
・2010-2011:3位
これを見れば一目瞭然ですがナポリはここ数シーズンの間、かなりの確率で優勝まであと一歩というところまで迫っています。
また別の言い方をすれば、毎年のようにユベントスの後塵を拝しているとも言えます。
今シーズンに懸ける気持ちはどのチームよりも強いはずです。
打倒ユベントスへ戦力は整った
今シーズンのナポリにとって、「打倒ユベントス」が最大の目標であることは間違いありません。
もちろんこのことは、セリエA優勝やTIMカップ優勝に向けて最大のライバルを上回るということを意味しています。
問題は、この打倒ユベントスが可能かどうかというところですが、戦力面を見る限りは十分に可能だと言えます。
ナポリはシーズン開幕前の夏の移籍市場において、積極的な補強を行いました。
DFマノラス
まず筆頭に挙げられるのが、世界屈指のDFと称えられるギリシャ代表DFマノラスです。
昨シーズンまで所属していたローマでもディフェンスリーダーとして活躍しており、セリエAでの経験も豊富な選手です。
DFディ・ロレンツォ
マノラスの他にはディフェンスラインにもう1人、エンポリからはディ・ロレンツォを獲得しました。
さほどビッグネームというわけではありませんが、イタリアでは実力を認められている選手で、インテルなども獲得に動いていました。
MFエルマス
中盤では、フェネルバフチェに所属していたエルマスを獲得しました。
足元のテクニックに優れたテクニシャンタイプの選手で、ヨーロッパのメディアでは「マケドニアの至宝」とも呼ばれています。
これまでトップリーグでの経験はありませんが、ポゼッションを重視するナポリにはうってつけの選手だと言うことができます。
FWジョレンテ
最後にFWのポジションですが、ここにはまず、かつてユベントスでも活躍したジョレンテが加入しました。
最前線のターゲットマンとしてクラブ・代表を問わず数多くのゴールを奪ってきたジョレンテの存在は、非常に大きなものとなりそうです。
FWロサーノ
また、同じFWのポジションには昨年ロシアワールドカップで一躍脚光を浴びたメキシコ代表のロサーノが加入しました。
ヨーロッパのクラブの間で非常に注目度の高かった選手であり、イタリアの地でその実力を証明できるかどうかがカギになります。
前所属のPSVでは既にストライカーとしての実力を大いに発揮しているため、イタリアでの活躍も大きに期待できます。
以上が、今期の主な加入選手です。
さらにこれに加えて言うと、ナポリはレギュラーメンバーの陣容も非常に充実しています。
FWインシーニェ、FWメルテンス、FWミリク、FWカジェホン、MFファビアン・ルイス、MFジエリンスキー、MFアラン、DFヒサイ、DFクリバリ、GKオスピナ。
セリエA全体を見渡しても、これだけレギュラーメンバーが固定され、尚且つ質的にも充実しているチームは他にありません。
これは逆に言えば選手層が薄いと言うことでもあるのですが、その点も今夏の補強で大幅に改善された感があります。
まさに、戦力面では打倒ユベントスの準備が整ったと言える状況なのです。
アンチェロッティの手腕
現在ナポリを率いているのはヨーロッパサッカー界で「名将」として名の通っているアンチェロッティ監督です。
アンチェロッティ監督はこれまでにイタリア、イングランド、フランス、ドイツのクラブを率いてそれぞれのリーグで優勝を果たしています。
また、チャンピオンズリーグにおいても過去に3度も優勝を経験しています。
言わば優勝請負人とも言える監督で、セリエAでの監督経験も非常に豊富です。
この監督の手腕という要素を考えても、今シーズンのナポリには大いに期待することができます。
気になるのはマウリツィオ・サッリの存在
戦力・監督という2つの大きな要素に関して大きな期待を持てる今シーズンのナポリですが、1つだけ気になるポイントがあります。
それは、最大のライバルになるであろうユベントスの、選手ではなく監督の存在です。
現在ユベントスの監督を務めているのはマウリツィオ・サッリ氏です。
サッリ監督は、何を隠そう2015年から2018年までナポリを率いていた監督です。
そして、現在のレギュラーメンバーの大半はサッリ監督時代にチームに加入した選手であり、現在採用されている戦術の大部分もサッリ監督時代のものなのです。
つまり、サッリ監督はナポリの手の内を知り尽くしていると言うことができます。
もちろん、リーグ戦における直接対決はわずか2試合だけですから大した影響はないとも言えますが、一つの懸念材料であることに違いはありません。
まとめ
セリエAはここ8シーズン、ユベントスが「絶対王者」とも呼べる戦いぶりを見せて連覇を果たしています。
その中でナポリはここ数シーズン、毎年のようにユベントスの後塵を拝していきました。
しかし、今シーズンは打倒ユベントスを実現する上で大いに期待のできる戦いを見られそうです。