2019年10月3日現在、明治安田生命J1リーグも残すところ7節(27/34節消化)となり、2019年シーズンもいよいよ最終盤に突入してきました。
J1リーグは他国のリーグと比較しても各チームの戦力が拮抗しているため、毎年熾烈な順位争いが繰り広げられています。
もちろん今シーズンも例外ではなく、前節終了時点でも各チームが激しくしのぎを削っています。
今回は、こうした順位争いの中でも特に注目度の高い、優勝・ACL出場権・残留という3つのポイントについて考察していきたいと思います。
J1リーグ優勝争いの行方
今シーズンのJ1リーグは2017年・2018年と川崎フロンターレが連覇を成し遂げ、さらに3連覇を目指すという中で開幕しました。
ところが、蓋を開けてみると2連覇中のような強さは影を潜め、1位はおろかトップ3位にすら届いていないという順位になっています。
前節(2019シーズン第27節)終了時点での上位チームの順位は以下の通りです。
1位 | FC東京 | 勝点53 | 得失点差+16 |
---|---|---|---|
2位 | 鹿島 | 勝点52 | 得失点差+25 |
3位 | 横浜 | 勝点49 | 得失点差+16 |
4位 | C大阪 | 勝点46 | 得失点差+11 |
5位 | 川崎 | 勝点44 | 得失点差+15 |
6位 | 広島 | 勝点44 | 得失点差+12 |
7位 | 札幌 | 勝点40 | 得失点差+10 |
ご覧のように、現時点で優勝争いに加わっているのはFC東京、鹿島、横浜の3チームとなっています。
C大阪から下のチームに関しては、未だ優勝の可能性はあるものの、現実的にはかなり厳しくなったと言わざるを得ません。
FC東京について
現在首位を走るFC東京は、リーグ最少失点を誇る守備陣が最大の強みで、シーズン序盤から粘り強い戦いを続けてきました。
一方で、中位以上のチームの中では得点力に若干不安があり、この点が残り7節の中でどう影響してくるかが優勝争いの行方を分けるカギになる可能性もあります。
また、J1リーグで過去に1度も優勝をしたことが無いという点も気になる部分です。
鹿島アントラーズについて
FC東京に続いて2位に位置しているのが優勝争いの常連でもある鹿島アントラーズです。
アントラーズは現在、リーグ・天皇杯・ルヴァンカップの3冠の可能性を残しています。
アントラーズの最大の強みは、何と言ってもその実績と経験です。
クラブ別の優勝回数では2位以下を大きく引き離して1位(優勝8回)に君臨しており、2017年・2018年シーズンも優勝争いに加わっています。
また今シーズンの成績を見ても、得点数49はリーグトップ、失点数24はリーグ2位と、最も安定した戦いをしていると言えます。
ACL敗退が決まって懸念されていた過密日程に多少の余裕ができたことを考慮すれば、アントラーズが優勝候補の最右翼だと言っても間違いではないでしょう。
横浜F・マリノスについて
最後に横浜F・マリノスについてですが、マリノスの最大の武器はここまで鹿島と並んでリーグ最多を記録しているその得点力です。
その反面、上位チームの中では守備力に難があるため、この部分をいかに改善できるかが優勝に向けた1つのカギになると予想されます。
優勝から長く遠ざかっているというのも1つの懸念材料です。
鹿島アントラーズに黄色信号!?
2016年以来の優勝を射程に捉えるアントラーズですが、ここに来ていくつか不安材料が出てきています。
まず、先月の19日にMF三竿健斗が左ハムストリング筋損傷の怪我で全治6週間と診断されました。
さらに、今月の1日には同じくMFのレオ・シルバが右ハムストリング筋損傷で全治5週間と診断されました。
どちらもチームの主力として活躍していた選手だけに、戦力ダウンは避けられません。
ここに来て、優勝争いに黄色信号が灯った形となりました。
ただ選手層の厚いアントラーズですので、現有戦力で上手くやりくりするということも考えられます。
ACL出場権争いの行方
J1リーグのチームは、3位までに入ることができれば来シーズンのACLに参加することができます。
上記の順位を確認すると、現実的に可能性があるのは6位の広島までだと予測できます。
ACL出場権争いの行方を占う上で重要なのは、今後の川崎の成績です。
フロンターレは現在、優勝の可能性の他に3位以内に残るという可能性と4位以下に落ちるという可能性があります。
もちろん、最大の目標が優勝であることは容易に想像できることですが、今後の結果次第では優勝は無理でも3位以内に入るための選手起用を行ってくる可能性があります。
そしてそうなると当然、たのチームにも影響が出てくることになりますから、今後ACL出場権争いのカギを握るのはフロンターレだと言って間違いないでしょう。
残留争いの行方
優勝争い同様に熾烈を極めているのが残留争いです。
現在、降格圏に沈んでいるのは以下の3チームです。
16位 | サガン鳥栖 | 勝点28 |
---|---|---|
17位 | 松本山雅 | 勝点25 |
18位 | ジュビロ磐田 | 勝点21 |
ジュビロ磐田について
現時点で最下位に沈んでいるジュビロはシーズン中に2度監督交代を行いましたが、今のところは目に見える結果には繋がっていません。
このまま行けば、間違いなく来期はJ2で戦うことになるでしょう。
松本山雅について
またジュビロと同様に、降格が濃厚となっているのが松本です。
松本のウィークポイントは何と言ってもその得点力の低さです。
27節を終了した時点での得点数はわずか16に過ぎません。
27試合で16点ということは、ほぼ2試合に1点しか得点できていないということですから、残りの試合も厳しい戦いが続くことになりそうです。
サガン鳥栖について
上の2チームと比べて幾分有利な状態にあるのがサガンです。
前半から中盤にかけては大きく躓いたサガンですが、後半戦に入ってからは徐々に調子を上げており、15位のベルマーレとも勝ち点3差に着けています。
まとめ
今回は長いシーズンもいよいよ最終盤に差し掛かった2019年のJ1リーグの今後の行方について考察してみました。
今シーズンのJ1も優勝・ACL出場権・残留という3つの争いが注目を集めています。
それぞれの争いが僅かな勝ち点差の中で行われていますので、どこが勝ってどこが負けるのか全く予断を許しません。